学校での性暴力

学校での性暴力についてのフェミニスト行動派の活動です。

(a)小中学校

2013年

5月
 8日 海南省万寧市の小学校長と地方政府の職員が、女子小学生6名をホテルに連れ込んで、一夜を過ごす事件が発生。
 21日 長沙で若い女性4人が、『瀟湘晨報』社説「6名の女子小学生の生活の規律の乱れを重視せよ」に抗議して、赤い果肉が見えているスイカをヴァギナに見立てて、《ヴァギナ・モノーグス》を改編した「私のヴァギナはお誘いではない」を朗読し、「性道徳は、性侵犯の理由ではない」と訴えるパフォーマンスアート
 27日 葉海燕、「校長よ、私をホテルに連れ込め。小学生に手を出すな!」というメッセージによる抗議を開始、この抗議は行動派にも広がる。  30日 警察は葉を行政拘留13日に。フェミニストが葉の釈放運動。
6月
 (7日 広東省の25のNGOが共同で広東省の教育庁に、「全省の教育システムに校内の性侵害防止システムを構築することに関する広東省の女性・児童権益擁護団体の共同の建議書」を提出)
 19日 武漢市武昌区の教育庁の前で、6人の女子大学生ら(猪西西、小棗ら)が「怪傑ゾロ」の扮装をして、歌を歌い、校内での性侵害をなくすように訴える(発起人は、鄭観尓さん)。
7月
 19日 鄭州市の河南省教育庁前で、数名の大学生が、性教育が不十分であるために性暴力を受けてもどうしたらいいのかわからない状況を批判するパフォーマンスアートをおこない、学校の中での性侵犯防止と性教育を訴える
 31日 フェミニスト行動派、「子どもの権利に関心を持ち、桐柏の女児の性侵害事件に関心を持て――女の子がもう傷つき苦しまないための1000名の母親の連名の署名」開始
8月
 21日 広東省教育庁(広州)前で、数名の女子学生(小美ら)が、「鑑湖女侠が教育庁の玄関前に姿を現した。性侵害を解決する6つの神剣を伝授する」パフォーマンスアートをして、教師の性暴力問題に対して、賠償・謝罪・立法・心理治療・プライバシー保護・持続的教育を求める。
10月
 15日 李麦子・小美ら、南陽市中級人民法院前で「子どもの権利に関心を持ち、桐柏の女児の性侵害事件に関心を持て」署名1058筆を掲げ、保護者たちに声援を送る

2014年

12月
 4日 李麦子、肖美腻、王宇弁護士、北京の教育部に、スクールセクハラ(とくに江西省瑞昌市で小学校の教師が多くの女子児童に対して性暴力をおこなっていた事件)の問題の解決求めて陳情

2015年

2月
 26日 肖美麗・彭橙・金花花、寧夏銀川霊武市の教師の児童に対する性暴力事件の被害者への賠償とケアについて、市政府・教育体育局・郝武鎮政府に情報公開申請

(b)大学

2014年

6月
 厦門大学で呉春明教授のセクハラが明るみに出始める。
7月
 24日 厦門大学で、77名の在校性・卒業生が、学長にキャンパスセクハラ防止システムを構築する建議の手紙出す。
9月
 9日 国内外の大学教員、学者、学生ら256人が連署した2通の公開書簡で、厦門大学学長と教育部長に事件の徹底調査と「高等教育学校セクハラ防止管理弁法」の制定求める。
 10日 10大学(厦門大学・天津大学、東北師範大学・北京外国語大学・西北大学・武漢大学・西北師範大学など)の門前で、女子大学生たちが、右手に剣、左手に「自由と夜を女子学生に返せ」と書いた盾を持った「赤ずきん」の扮装をして、キャンパスセクハラ防止を訴える。さらに全国116カ所の「211プロジェクト大学」の校長に、彼女たちが起草した大学でのセクハラ防止規範を提案する手紙も送る。
10月
 14日 厦門大学、呉春明を党から除名、教師資格取り消しの処分に:処分の軽さなどに批判。

2018年

1月
 1日 北京航天航空大学卒業生の羅西西、#Me Tooに触発され、在学時の陳小武教授のセクハラを実名で告発。
 以後、さまざまな大学の卒業生と在学生が、各大学に対してキャンパスセクハラ防止システム確立を実名の連署で訴え。20日頃までに、74大学以上で延べ8000人が署名。
 12日 北京航天航空大学、陳の教員資格取り消し、セクハラ防止システムの整備を表明。
 13日 44大学の53人の卒業生や在学生が実名で「キャンバスセクシュアルハラスメント防止システムを訴える教育部への公開の手紙」を発表。
 14日 教育部、陳小武の「長江学者」の称号を取り消し、奨励金の支給停止および既に支給した奨励金の返還を求める決定。
 25日 「海外の中国人の学生・学者のセクハラ防止についての公開の連名の書簡」発表。
3月
 6日 38人の、それまでに母校に対してキャンパスセクハラ防止システム構築を求める署名を呼びかけたさまざまな大学の在校生や卒業生、「女権の声」の微信で、国際女性デーにネット上などで行動することを呼びかけ。
 8日 「北京大学学生セクハラ遭遇状況調査報告」発表。
 8~9日 「女権の声」の微博・微信封鎖。
4月
 5日 李悠悠、元北京大学(現南京大学)教授・瀋陽が1996~8年に女子学生・高岩に性暴力をふるい、自殺に追いやったことを告発。
 11日、13日 中国人民大学の顧海兵教授、張康之教授のセクハラが告発される。
 23日 北京大学の女子学生・岳昕、「北京大学の教員・学生宛ての公開書簡」発表、大学からの圧力について訴え。

関係ブログ記事

2013年5月:「海南万寧の女子小学生の性侵害事件と女性運動」(2013/06/01)(行動派の活動も一部で記述)
 関連文献:牧陽一(訳・訳注)「艾暁明:裸は抵抗の印だ(PDF)」埼玉大学紀要(教養学部)第49巻第2号 2013年
2013年5~10月:「学校教師による性暴力と行動派フェミニスト――『強姦犯を閉じ込めろ、私を閉じ込めるな』」(2013/10/20)
2014年9月~2015年1月:「広州で若い女性たちが公共交通の痴漢対策について交通管理委員会、地下鉄公司、警察、婦女連合会などと会談――各地で『赤ずきん』姿で痴漢・セクハラ反対活動」(2015/01/24)の第六節
2017年10月~2018年1月:「中国における#MeTooとキャンパスセクハラ反対運動」(2018/01/26)
2018年2月~4月:「中国のキャンパスセクハラ反対運動・その後」(2018/05/17)