雇用における男女差別

雇用における男女差別についてのフェミニスト行動派の活動です。

1.年表

2012年

4月
 6日 武漢市で、就職の壁を象徴する扉や組体操が崩れて倒れるパフォーマンスアートで就職差別反対を訴える(十数名の女子大学生。組織者・麗麗[仮名、中南民族大学大学院生]、他に小小[仮名、華中科技大学大学院生]ら)
 8日 西安市で、花木蘭の扮装のパフォーマンスアートで就職差別反対を訴える(夏媛[咸陽師範大学]ら)
 15日 杭州市で、花木蘭の扮装のパフォーマンスアートで就職差別反対を訴える(大学4年の女子学生2人)
 16日 杭州市で人の形をくり抜いたパネルをくぐり抜けるパフォーマンスアートによって就職差別反対を訴える(女子大学生ら)
 22日 南京市で花木蘭の扮装のパフォーマンスアートで就職差別反対を訴える(会社員の安さん+6、7名の女性)
 28日 阜陽市で花木蘭の扮装のパフォーマンスアートで就職差別反対を訴える(卞夢迪[阜陽師範学院学生]ら)
 28日 武漢市で花木蘭の扮装のパフォーマンスアートで就職差別反対を訴える(可[武漢の某大学の4年生]ら。発起人は李甜甜[中南財経政法大学学生])
5月
 初旬 鄭楚然、全国の500強の企業のCEOに、性差別的採用条件を改めるように訴える手紙を出す
 13日 鄭州市で花木蘭の扮装で就職差別反対を訴える(暁雲[中原工学院愛心志願者協会]が数名の同級生と)
 13日 広州で妊婦の権利を無視する企業に抗議するパフォーマンスアート(鄭楚然[中山大学4年]ら10人の女子大学生)
7月
 11日 北京巨人教育集団の求人の性差別を、曹菊[女子大学生]、海淀区人民法院に訴える(北京益仁平センターが協力、弁護士・黄溢智)
 25日 巨人教育ビル前で、求人の性差別に抗議するパフォーマンスアート(鄭楚然ら10人の女子大学生など[19~27歳]。発起人は李橙)
11月
 1日 南京の女性市民2人(梁爽、呉小小)、青島ビールの総本部と江蘇連雲区に、妊娠した女性を辞めさせたことに抗議する若い女性205名の連名の書簡を郵送(発起人:梁爽)
 6日 小梁(華南師範大学2012年卒、「温語軒(仮名)」とする新聞も)、広州市越秀区の人力資源・社会保障局に対し、広州宝勒商貿有限公司の販売職の求人広告から「男性のみ」規定を削除させ、今後は募集の中で女性を差別しないことを保証させ、小梁へ謝罪をさせることを求める(→2013.1.15)。
 26日 武漢市の湖北省人力資源と社会保障庁前で、女性公務員採用試験の身体測定基準に抗議するフラッシュモブ(10名あまりの大学生[猪西西ら])
12月
 8日 南京国際展示センター入口で、女子学生ら、「就業機会 両性平等」との横断幕掲げて性差別撤廃訴える(発起人:張穎[南京師範大学社会発展学院ソーシャルワーク専攻大学院1年生])
 8日 江西省公務員局入口前で、女性公務員採用試験の身体測定基準に抗議するパフォーマンスアート(江西のある大学の女子大学生ら)(動画)
 26日 8都市(広州・北京・上海・蘭州・鄭州・済南・武漢・南京。成都・杭州・西安を加え、蘭州を削って「10都市」とする報道も)の20余名の女子大学生、智聯招聘網に、性差別的求人広告を出していた企業267社を、各地の人力資源・社会保障局(人社局)と工商局に通報。智聯招聘網についても、性差別的求人広告を掲載してきたことを北京市朝陽区の人社局に通報(鄭楚然[中山大学2012年卒]が呼びかけ。済南―小王[大学1年]と彼女の3人の大学生の仲間[うち1人は男子学生](「山東大学の年年(仮名)、小白、大宇など」と記す報道も)、武漢―猪西西(ハンドルネーム。「裘珍」との仮名で報じた新聞も)[中南財経政法大学2012年卒]が、5、6人の武漢の女子大学生と共に。信陽―王雪[大学3年]と彼女の仲間たち)。しかし、人社局や工商局が、その会社を処罰したり、差別を是正させたのは、各1社のみで、ほとんどの会社については、人社局や工商局は返答からのないなど、まともな対応がなされなかった。ただし、智聯招聘網は、「男性のみ」の求人広告は掲載しなくなった。

2013年

1月
 15日 広州市越秀区の人力資源・社会保障局の調停により、広州宝勒商貿有限公司、小梁に対し、以下の3点を承諾。1)二度と差別的行為をしない、2)同社のサイトに、2週間、梁さんに対するお詫びを掲載する、3)速達料・電話代・交通費など合計600元、および象徴的に精神的損害賠償1元を支払う。
3月
 6日 鄭楚然ら104名の学生が、就職の性差別の定義や具体的な処理方法、労働部門の監督検査の責任、罰則などを法律法規の中に明記することを求めて、全人代の代表や全国政協の委員に連名の書簡を出す
 6日 鄭州で1名の女子学生が女子専門の招聘会(しかし求職者の半数近くは男子)で、花木蘭の扮装をして求職しつつ、就職の性差別に抗議(肖可顔[黄河科技学院今年度卒業生])
 7日 広州で数人の若い女性が、買物カートから「3年は母親になってはならないブランドのハンドバック」「男性に限るブランド醤油」などと書いた、商品を模したボードを取り出して、消費者として職場の女性差別に抗議するパフォーマンスアート(発起人―区佳陽)。
4月
 10日 西安の人材市場の前で、2人の女性が「東方不敗」の扮装をして、就職の平等を要求するパフォーマンスアート(李麦子ら)
 12日 曹菊、海淀区人力資源と社会保障局の不作為について、海淀区法院に行政訴訟起こす(5月7日、海淀区法院が正式に受理[立件])
5月
 26日 鄭楚然、2012年7月に曹菊が起こした就職の性差別の訴訟を海淀区人民法院に立件させるよう求めて、北京市人民代表大会などに22省114名の連名書簡を送る。
6月
 18日 北京の三快科技有限公司(美団網)の前で、数人若い女性が、美団網が妊婦を解雇したことに抗議するパフォーマンスアート(肖美麗ら)
 20日 鄭州・杭州の美団網の前で、数人の若い女性が、美団網が妊婦を解雇したことに抗議するパフォーマンスアート
7月
 10日 7人の女性弁護士が曹菊の訴えを立件させるよう裁判所と婦女連合会に要請。
8月
 前半 鄭楚然、南方人材市場に「男子のみ求人」広告が10%あることについて、広東省人力資源・社会保障庁の長官に対して人材市場を見て回るように求める書簡→14日、人力資源・社会保障庁と鄭楚然とが会談(「南都人物志:第十八期 女権闘士鄭楚然」)。
9月
 [10日 北京市海淀区法院、曹菊の訴えを受理(立件)]
10月
 14日 江西省人力資源と社会保障管理局前で、5人の女子大学生が、包帯で手を縛られた女性や「性差別が彼女の労働する両手を縛っている」というプラカードによって就職の男女平等を訴えるパフォーマンスアート(小席、小黒ら)
 20日 美団網の事務所の前で、10人ほどの女子大学生ら、妊婦のかっこうをして歌と踊りで、美団の妊婦解雇に抗議(梅子ら)
11月
 11日 陝西省体育館(西安)前の企業招聘会の入口で、数十人の女子大学生らが、「穆桂英が職場で指揮をとって、性差別に宣戦する」パフォーマンスアート
12月
 18日 曹菊が北京巨人教育集団の求人の性差別を訴えた裁判、北京海淀区法院で始まり、会社の謝罪と3万元の支払いで和解成立(就職の男女差別裁判、初の勝利和解)。
 26日 8都市(北京、広州、南京、河南など)の女子大学生らが、41の民営企業の「男性のみ」募集を各地の人社局、工商局に通報(王小楠ら)。

2014年

4月
 21-29日 10都市の25人の女子学生、全国30省の労働監察部門に求人広告の性差別の取締りを求めて情報公開申請
7月
 8日 女子学生・黄蓉、東方調理職業技能訓練学校の募集の男女差別を杭州市西湖区人民法院に訴える(8月12日受理)
8月
 20日 11都市(北京・上海・汕頭・棗荘・済南・武漢・昆明・新郷・杭州・広州・蘭州)の若い女性ら、11都市の若い女性ら113人、最高人民法院・全国婦連・杭州市西湖区人民法院に対して、黄蓉の事件の迅速な立件を賞賛するとともに、女性差別を是正するような判決を求める連名の公開書簡。
11月
 12日 杭州市西湖区法院、黄蓉の裁判で、東方調理職業技能訓練学校に慰謝料2000元の支払い命ずる判決(就職の男女差別裁判、初の勝訴)。黄は謝罪も求めて控訴。

2015年

1月
 26日 女子学生・馬戸、北京市郵政スピード郵便物流有限公司が、宅配便配達員について男性のみ募集をし、2日間の試用期間後に口頭で採用を契約したにもかかわらず、採用を拒否したことを北京市順義区人民法院に提訴(翌日受理)
 29日 張累累、中国調理協会、国際飲食協会、杭州市西湖区人力資源・社会保障局に、新東方調理職業技能訓練学校に謝罪を促すよう求める、二十数市の55人が署名した建議の手紙を送る。ピンク色のフライ返しも同封して、各協会に女性の権利についても注意を喚起
2月
 2日 黄蓉の裁判の二審判決も原判決維持、謝罪は認めず
 2日 馬戸ら、女性宅配便配達員の写真や声を集める活動開始
 5日 黄蓉、「黄蓉性差別反対ホットライン」開始
 12日 黄蓉、ネット上の性差別的求人に関して、369社を各地の人力資源と社会保障局に通報する手紙出す。
7月
 27日 馬戸、「女性労働者が従事することを禁止する労働の範囲を縮小する建議」を李克強総理に連日送り始める。
8月
 18日 高暁、広東恵食佳経済発展有限公司のコック見習い募集での女性であることを理由にした不採用に対して同公司に謝罪と賠償を求めて広州市海珠区人民法院に提訴(当日立件。2016年4月3日、越秀区名豪軒魚翅海鮮大酒楼も被告に追加)。同時に、高は広州市人力資源・社会保障局にも訴える。
9月
 7日 馬戸ら、「女性労働者が従事することを禁止する労働の範囲を縮小する建議」の署名運動開始。
 12~25日 「フェミニスト行動派」の微博、自分が重い荷物を持っている写真とメッセージを各自の微博で発表してもらう「女子が重い荷物を持つコンクール」おこなう。
 17日 高暁の裁判の第一回審理の日に、若い女性たち、広州市海珠区人民法院前で、料理をしている主婦の扮装をして、「女もシェフになれる」と訴えるパフォーマンスアート。
10月
 19日 高暁、広東省人力資源・社会保障庁の庁長を、広東省の飲食業の性差別の状況を話したいからと言って、食事に招く。
11月
 2日 北京市順義区法院、北京郵政に慰謝料2000元などの支払い命じる馬戸勝訴判決(就職の男女差別裁判、2件目の勝訴)。馬戸、書面での謝罪と慰謝料の5万元への増額求めて控訴。
( 24日 高暁、広州市人力資源・社会保障局から、広東恵食佳経済発展有限公司が男性だけを募集したという事実を否認したことと高暁が訴訟を起こしたことを理由として、受理しないことを決定する回答を受け取る。)

2016年

3月
 9日 高暁、広州市鉄道運輸第一法院に、広州市人力資源社会保障局と広州市労働保障観察大隊に対して、性差別についての行政不作為を訴える告訴状提出(18日受理)。
 28日 北京師範大学、東北師範大学、北京市十一学校などの9人の若い女性が、全国112の211大学に政府情報公開を申請して、学校内での企業の求人活動における性差別をどのように監督して、どのような救済措置をとっているかを示すよう求める。
4月
 3日 広州市海珠区人民法院、広東恵食佳経済発展有限公司と越秀区名豪軒魚翅海鮮大酒楼に、高暁に対して、慰謝料2000元の支払い命じる判決(就職の男女差別裁判、4件目の勝訴)。ただし、その他の請求は棄却
 13日 高暁、控訴。
5月
 24日 広州市人力資源社会保障局と広州市労働保障観察大隊の行政不作為事件の第一回審理の際、数人の青年が、プラカードを持って広州市人力資源社会保障局に行き声援。
9月
 20日 高暁の訴訟の二審判決、判決の効力が生じた日から10日以内に書面による謝罪を求める。

2017年

6月
 16日 山東省済南市の女子大学生・夏南(仮名)、同市歴城区人力資源・社会保障局が山東福聘自動車貿易有限公司の「優秀な男性優先」という条件の求人について「性差別ではない」と回答したことを同市歴城区法院に訴える。
7月
 13日 女子大学生・周月(仮名)、深圳市人社局が興百業公司の「男性のみ」求人を処罰せず、その後の同公司が他の求人の性差別も放置していることを職責失当として、深圳市塩田区法院に訴える。

2.関係ブログ記事

2012年4月:「女性差別反対を訴える女子大学生のパフォーマンスアート続く」(2012/04/18)の1、3~5
2012年4~5月:「各地で雇用における女性差別反対を訴える女子大学生らのパフォーマンスアート」(2012/05/19)
2012年7月:「求人(募集)の女性差別に対する初の提訴をめぐって」(2012/08/02)
2012年11月~2013年1月:「女子大学生らが全国8都市で『男性のみ』求人の企業267社を当局に通報、その結果は…」(2013/01/27)
2012年8月~2013年8月:「求人の男女差別をなくすための女性たちの粘り強い行動」(2013/09/03)
2013年12月:「就職の男女差別に関する初の裁判が和解――会社が謝罪、3万元を支払う」(2013/12/24)
2014年月:「求人の女性差別を訴えた中国で2回目の裁判始まる――今回は1ヶ月で裁判所が受理」(2014/09/25)
2014年11月:「求人の男女差別で中国初の勝訴判決――慰謝料2000元の支払い命じる」(2014/11/20)
2015年1月:「『男性のみ』募集を訴えた3件目の裁判――今回は翌日に受理、『男性向け』と思われがちな宅配便配達員での採用の性差別を問う」(2015/02/08)
2015年4~11月:「就職の男女差別で2件目の勝訴判決――今回は宅配便配達という男性職。コック見習い採用の男性のみ求人も提訴」(2015/12/03)
2015年12月~2017年1月:「就職の男女差別裁判で、会社の謝罪も命じる初の判決」(2017/01/21)
2016年12月~2017年10月:「就職の男女差別に対する行政の管理監督責任を問う2件の裁判」(2017/11/20)