(遠山日出也、2012年5月4日更新)
三井マリ子さんは、2000年、大阪府豊中市の男女共同参画推進センター「すてっぷ」の初代館長(全国公募による。非常勤)として、数々の独創的な企画を打ち出すなど全力で仕事を進め、その実績は市やセンターにも高く評価されました。しかし、そうした三井さんの仕事が目ざわりだったバックラッシュ勢力(男女平等の推進に反対する勢力)が市やセンターに圧力をかけ、その圧力に屈した豊中市などは、非常勤館長職廃止による「組織変更」の名の下に2004年3月、三井さんを雇止めし、新館長への採用も拒否しました。
三井さんは2004年12月、豊中市ととよなか男女共同参画推進財団を相手取って、損害賠償を求めて大阪地裁に提訴なさいました。
三井さんは、この裁判を、「非常勤労働者」と「バックラッシュ」という日本の女性にとっての二大問題に取り組むものとして位置づけていらっしゃいます。
このページには、この裁判についての私(遠山日出也)の文章や裁判の資料・報道へのリンクを収めました。○印を付けているのは、私の文章です。
館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会(ファイトバックの会)のHP
この会は、裁判支援のために大きな貢献をしている素晴らしい会ですが、残念なこともあります(謝罪問題)
全文ダウンロード(PDFファイル)
冊子版購入(64ページ、500円+送料)
冊子版購入(112ページ、800円+送料)
○「11月例会テーマ『館長雇止め・バックラッシュ裁判について』」『VOICE OF WOMEN』(日本女性学研究会機関誌)2006年9月号‥‥下の日本女性学研究会の例会のために私が作成した資料ですが、主にこの陳述書をもとにして書きました。4月に起きた「大法廷問題」についても触れています。
2006年5〜7月に、本郷部長や武井課長、山本事務局長の証人尋問があったのですが、傍聴希望者が多く、私はあまり法廷に入れませんでした。
○裁判傍聴記「現館長・桂容子さんの証人採用を実現!」 『WWN(ワーキングウイメンズネットワーク)ニュースレター』2007年1月号‥‥原告本人尋問と桂館長証人採用決定について書きました。
村井恵子さんと私で企画しました。
○「『館長雇止め・バックラッシュ裁判』関係年表・裁判の経過」(ワードファイル)(例会当日の資料)
○「11月例会報告」『VOICE OF WOMEN』2006年11月号
三井マリ子「いよいよ大詰め『館長雇止め・バックラッシュ裁判』」『VOICE OF WOMEN』2007年2月号‥‥三井さんが、この例会に寄せて書いてくださいました。
○「館長雇止め・バックラッシュ裁判まもなく結審――桂館長証人尋問とその後」
審理が終了し、原告弁護団は「原告最終準備書面」を提出しました。
最終準備書面・全文ダウンロード(PDF、194ページ)
最終準備書面・冊子版購入(200ページ、800円+送料)
○最終準備書面・要旨(簡略版)(文責:遠山日出也)‥‥これを読んでいただけば、最終準備書面のおおまかな内容はわかります。
○最終準備書面・要旨(詳細版)( 〃 )‥‥原文と章や節の番号を照らし合わせて読むのに便利です。
○明らかにされた豊中市の陰謀‥‥一つのハイライトとも言うべき「6.組織体制変更に名を借りた原告排除」について紹介しました。
判決(PDF、80ページ)
三井マリ子「不当判決」
弁護団「きわめて不当な判決」
○市民感覚との大きなズレ‥‥判決当日の弁護団による判決の解説を書き取った文です。
○非常識で非論理的な「更新手続き」判断‥‥判決があまりに非論理的だったため、当日、書き取れなかった箇所について述べた文です。
三井マリ子「控訴審に向けて歩み始めました 裁判長も認めた被告の『嘘』『不正』を違法に」
○(参考メモ)判決も認めた被告側の5つの嘘と不公正(ファイトバックの会:担当遠山日出也)
○「しょせん女の非常勤問題」というバイアス……記者向け報告会で私が感じたことです。裁判の争点についても触れています。
○「『館長雇止め・バックラッシュ裁判』で宮地光子弁護士が講演(上)」(インターネット新聞JANJANに掲載)
○「『館長雇止め・バックラッシュ裁判』宮地光子弁護士の講演(下)」(同上)
宮地弁護士は、判決に対する批判をいっそう突っ込んでおこなうとともに、今後のたたかいの展望も語られました。
私のこの記事は、上の藤美津子さんの記事とともにJANJANの編集部長賞をいただきました。
三井マリ子「意見陳述」
「控訴理由書」(PDF)(○その一部を、私が紹介した文)……一審判決を徹底的に批判
「第1準備書面」(PDF)……人格権の侵害を新たな争点に加える。
「第2準備書面」(PDF)(○私なりの要約と感想)……被告側が隠していた書面からわかったことについて。
「脇田滋意見書」(PDF)(○私による要約│○私の感想)→脇田意見書は、『龍谷法学』41巻3号(2008年12月)にも掲載。
「第1準備書面」と「脇田滋意見書」については、インターネット新聞JANJANのさとうしゅういちさんの記事がポイントを紹介しています(豊中市と財団の行為は「人格権侵害」 館長雇止め・バックラッシュ裁判控訴審・第2回口頭弁論(上)
│労働者の解雇、必要性の立証責任は被告側にある 館長雇止め・バックラッシュ裁判控訴審・第2回口頭弁論(下)
)。
「第3準備書面」(PDFファイル)「求釈明の申立書」(○私による紹介と要約)……JANJANのさとうしゅういちさんの記事も参照してください。
浅倉むつ子意見書(○私による要約│○私の感想)→販売中です!
詳しくは、こちらをご覧ください。なお、浅倉意見書は。『労働法律旬報』1724号(2010年7月下旬号)にも「『すてっぷ「館長雇止め」事件』意見書」として掲載されています。
○「『館長雇止め・バックラッシュ裁判』控訴審の現段階」……この段階での、私のまとめです。
第4準備書面・全文ダウンロード(PDF、104ページ)……控訴審での主張のこの段階での総まとめの文です。
○第4準備書面要旨(文責:遠山日出也)
「『三井さん排除は市長の指示』豊中市の主張変更で明らかに」(JANJANのさとうしゅういちさんの記事)……当日の交流会での弁護士さんの発言を詳しく伝えています。
「館長雇止め・バックラッシュ裁判5月22日結審へ」(JANJANのさとうしゅういちさんの記事)……ただし、『女性学年報』の文は、特定のセンターについて述べたものではないと断り書きがありますので、この裁判以外の場では、取扱いに注意すべきだと思います。
第5準備書面・全文ダウンロード(PDF、110ページ)
○第5準備書面要旨(文責:遠山日出也)
「館長雇止め・バックラッシュ裁判結審――さらなる情報隠しと情報操作が明らかに」(JANJANのさとうしゅういちさんの記事)
三井マリ子「21世紀の奴隷解放運動とインフォームド・コンセント」
○「館長雇止め・バックラッシュ裁判控訴審、結審」……第4、第5準備書面のポイントのいくつかを私なりに紹介した文章です。
公正な判決を要請するハガキを送る運動→終了しました。おかげさまで、361通ものハガキを提出することができました(そのご報告[上田美江代表])
2010年3月30日、大阪高裁は、豊中市と財団に対して、損害賠償を命ずる判決を下しました。
判決は、豊中市の人権文化部長らが「一部勢力[=バックラッシュ勢力]の動きに屈した」ことを指摘し、三井マリ子さんに対する人格権侵害があったことを認めるものでした。
・○「館長雇止め・バックラッシュ裁判、高裁で逆転勝訴」
・判決文(PDF、ファイトバックの会HPより)→『労働法律旬報』1724号(2010年7月下旬号)、『労働判例』1006号(2010年9月15日号)にも掲載。
・宮地光子弁護士の解説は、こちら
2011年1月、最高裁は、豊中市・財団による上告ならびに上告受理申立てを、棄却しました。
・最高裁の調書(決定)(ファイトバックの会HPより)
・○「館長雇止め・バックラッシュ裁判、三井さんの勝訴が確定」
・○「館長雇止め・バックラッシュ裁判」についての私の投書が『世界』に掲載
・○「『館長雇止め・バックラッシュ裁判』勝訴の意義と支援運動の問題点」『VOICE OF WOMEN』No.319(2011年3月10日)……この文は、さまざまな点について触れつつ、それらを簡潔にまとめています
祝!勝訴の集い
・○「館長雇止め・バックラッシュ裁判」勝訴祝賀会に参加して(ウィメンズ・アクション・ネットワーク[WAN]サイト2011年6月20日)
雑誌の投書欄への私の投稿です(ミニコミは除く)。
○「バックラッシュに屈した「男女共同参画行政」を問う裁判」『週刊金曜日』No645(2007年3月9日)
○「館長雇止め・バックラッシュ裁判 今年9月判決に注目」『婦人通信』(日本婦人団体連合会機関誌)No590(2007年8月号)
○「女性運動の意義を改めて考える」『世界』(岩波書店)2011年4月号
○「すてっぷ」の役員と研究者の社会的責任(2007年4月)‥‥「すてっぷ」の理事や評議員には著名な研究者もいらっしゃいます。その方々の責任について考えた文です。
仙頭史子さんから三井マリ子さんにエール(2007年5月)‥‥私がもう一つ支援させていただいていた、アステラス製薬男女差別裁判の原告・仙頭史子さん(2007年3月、みごと勝利和解!)から三井さんへのエールです。
館長雇止め・バックラッシュ裁判(原告・三井マリ子さん)のページに戻る
私の中国女性史関係以外のその他の参加団体のページへ行く
サイト全体のトップページへ行く
サイトマップへ行く