中国女性史関係以外の参加団体

 (2017年7月19日更新)
 中国女性史関係以外の私の参加・関係団体のうち、女性やジェンダーの問題とかかわりがあって、ホームページを持っている団体を挙げておきます。
 私は女性史研究者のはしくれとして、研究だけでなく社会的運動にかかわったり、自分自身の生活を見つめたりすることが大切だと思っています(どれも本当に不十分で、恥ずかしいですが‥‥)。

研究団体

日本女性学研究会
 学問と日常生活、理論と実践という価値の分断をなくし、そのいずれにも根ざした女性解放運動を創り出すことをめざす女性学の研究団体です。
 いくつも分科会があって、例会も2ヶ月に1回程度おこなわれるなど、活動が日常的なのも良いところです。
 毎年、『女性学年報』を発行しています。

運動団体

ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク(WWN)
 住友メーカーの男女賃金差別裁判の支援を中心に活動してきた団体です。国連にも訴えに行かれるなど、そのすばらしい活動の記録はワーキング・ウィメンズ・ネットワーク編『「公序良俗」に負けなかった女たち』(明石書店 2005年)にまとめられています。
 裁判で勝利和解を勝ち取った後も、均等法において間接差別(=直接「女性だから」差別するというのではなく、たとえば「契約(派遣)社員だから」という理由で多くの女性にひどい待遇を押し付けて、結果的に女性差別をすること)をきちんと禁止させる努力などを続けていらっしゃいます。
均等待遇アクション21
 「女性に対する間接差別を禁止する」、「パートや派遣、非常勤と正規雇用との均等待遇(=いまの日本のように雇用形態が違うというだけで時間当たりの賃金がまったく異なるというのではなく、同等の仕事に対しては同じ賃金などを支払うこと)を実現する」、「同一価値労働同一賃金(=仕事の種類は違っても、同等の知識・技能、負担、責任、労働環境の仕事だったら賃金は同じにするという考え方の原則。たとえば今、介護のヘルパーさんは大変な仕事なのに賃金が安いですが、そうした状態を改めるということ)を実現する」という目標を掲げて活動している団体です。
関西圏大学非常勤講師組合
 私は大学で少し非常勤講師をしています。非常勤講師は研究や教育の上で大きな役割を果たしているにもかかわらず、大学においても、賃金などの待遇の点で専任教員との間にあまりに大きすぎる格差があります。また、雇用も一年契約であるため、合理的理由のない雇い止めにあうケースも少なくありません。そうした問題の改善をめざしています。
ウィメンズ・アクション・ネットワーク
 インターネットの世界でも、フェミニズムの運動をしていかなければなりません。そのために重要な役割をはたしている、女性のための総合サイトです。私は、この団体の労働争議に関しても、「ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)の労働争議・まとめ」というサイトを作りましたが、この問題は、広く非営利団体や市民運動に見られる問題として考えていく必要があると思います。

かつて支援していたが、すでに終了した裁判

館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会(ファイトバックの会)
 この裁判に関しては、私が書いた文章の量が多いので、すべて別のページに移しました。
京都市女性協会(ウィングス京都)裁判
 伊藤真理子さんは、1994年から2007年までウィングス京都の嘱託職員として、相談業務をおこなってきました(2000年に大学院での研究のため退職し、2004年に再雇用)。ほかに、伊藤さんはDVに関するシンポジウムの企画・運営、研修などの仕事もやってきました。
 ウィングス京都では、嘱託職員(非正規職員)も一般職員(正規職員)も、ほぼ同様の仕事をしています。一般職員も嘱託職員も、週5日勤務であり、違いは、一般職員はみな1日8時間勤務であるのに対して、嘱託職員には一日8時間勤務の人と7時間勤務の人がいることくらいです。
 しかし、賃金には大きな格差がありました。嘱託職員の賃金は、伊藤さんを含む1日7時間勤務の人は月14万2000円、8時間勤務の人は月16万2000円で、勤務年数などに関係なく一律でした。一般職員のような昇給・昇格もなく、一般職員と嘱託職員の賃金格差は2倍にもなっています。男女共同参画や「非正規雇用者の就業環境の整備」を説く京都市女性協会(ウィングス京都の運営者)が、女性の嘱託職員を経済的に自立できないような低賃金で働かせているのです。
 伊藤さんは、「離婚やDV、セクハラに悩んで相談に来られる女性たちは勇気を出して調停や裁判に立ち向かっている。相談に応じている自分は、職場での人権侵害に沈黙していていいのか」と思い、2006年12月、賃金差別是正を求めて京都地裁に提訴しました。
 残念ながら敗訴なさいましたが、この裁判につては、伊藤真理子さんが「雇用身分による賃金格差の是正を求める――京都市女性協会裁判を振り返って――」(『女性学年報』34号)という文を書いていらっしゃいます。
朝日熱学男女賃金差別裁判
 中野布佐子さんは、30年間働き続けた朝日熱学[旧社名:ラオックスエンジニアリング]を相手に、在職中の賃金・退職金などの男女差別について、男性との差額を請求する裁判を起しました。
 朝日熱学では、男性なら誰でも年功序列で順次昇格するのに女性はそうではないとか、原告が前任者の総務の部長から引き継いだ仕事をしても査定では評価しないとかの男女差別のほか、朝の掃除当番、お茶入れ、家族手当、住宅手当など、数限りない男女差別がありました。
 また、なんと1991年まで男女差別定年制がおこなわれ、朝礼での出欠点呼も、2002年5月まで女性は男性の後で呼ばれていました。その後も役職順に呼ばれるため、中野さんは仕事もできない若い人に先を越され、「毎日朝から気分が悪く、屈辱以外の何ものでもない」と言っておられました。
 2008年4月、勝利和解なさいました(私のブログの記事支援者の方への中野布佐子さんの挨拶)。
アステラス製薬・仙頭史子さんの男女差別裁判
 藤沢薬品(いまのアステラス製薬)では、男性は誰でもおおむね35歳で主任、45歳で主任研究員に昇格していました。けれど男女差別のために、仙頭さんがやっと主任になれたのは48歳でした。仙頭さんは研究活動で男性に劣らず成果をあげたり、女性初のMRとして男性と同じ営業活動に従事して同等以上の成績をあげたりしていらっしゃったのに、です。
 仙頭さんは「これからの女性には私のような思いをしてほしくない」と、裁判に踏み切りました。
 2007年3月、勝利和解なさいました。(私のブログの記事
IGESを許さない会
 (財)地球環境戦略研究機関(略称:IGES「アイジェス」)は、環境省の外郭研究機関で、神奈川県が主導する第三セクターです。
 宮崎さんは派遣スタッフとしてIGESで研究秘書として勤務、職員として採用されました。しかし、切迫流産で入院し、2ヵ月後に職場復帰すると、自分の机がなくなっていました。抗議の末、やっと元の職場に復帰できましたが、突然、「採用試験(筆記と面接)」を受けさせられることになり、「不採用」とされました。宮崎さんの筆記試験の成績は良かったことは、IGESも認めています。では、面接内容はというと、男性職員数名が、宮崎さんの出産予定日や出産後の復帰予定、残業はできるかなど、妊娠・出産・育児に関する質問ばかりでした。「採用試験」は単なる口実であり、これは明らかに不当な解雇雇い止めです。
 宮崎さんは、地位確認と差別に対する慰謝料を求める訴えを横浜地裁に提訴し、闘われましたが、残念ながら敗訴なさいました。
市川房枝記念会くみあいニュース(最近削除)|ブログ(市川房枝記念会の未来を語る会)ブログ(いま婦選会館に何が起こっているか!)
 市川房枝記念会は、耐震診断結果を理由に婦選会館を2006年7月から閉鎖、政治教育部・国際部の講座・教室を中止し、職員(女性ユニオン東京組合員)2名を不当解雇しました。それを撤回させ、婦選会館を再生させるために闘われました。
 判決は不当判決でしたが、訴えの一部を認めさせ、和解なさいました。

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